テクニシャン智也01
私が出会い系を使ってしまったのは、職場がおじさんばっかりで、自分もこのまま枯れていってしまうのかなあと不安になったからです。
たまにいっしょに遊びにいく学生時代の女友達たちは、毎回、楽しそうに彼氏や職場の独身男性の話で盛り上がります。
女性である楽しみをエンジョイしている彼女たちに比べて、私はひとり取り残されたような心境でした。
「今度、合コンしよう。いい男、紹介するよ。」
「若いうちに遊んでおかなくちゃ、結婚しちゃったら遊べないよ。」
彼女達はそういいますが、自分達のことで忙しくて、私のことなんかすぐに忘れてしまいます。
結局、自分でなんとかするしかないのです。
誰にも知られず、誰とも接点のない男性と知り合うには、出会い系は最適でした。
しかも、普段なら恥ずかしいようなことも、顔が見えないメールなら、簡単に打ちあけやすいのです。
個人情報は漏らさないように注意しながらも、私は人には言えなかったようなかなり内面的なことまで智也という男性と打ち明けあってしまいました。
自分のことを分かってもらえたような気になると、会ったこともないのに、すごく親しくなったような気がするものです。
私と智也は会う前から、恋人同士になったように盛り上がり、やっと待ち合わせの日時が決まったときには、待ち遠しくてたまりませんでした。
でも、実際に智也に会ったときには、想像していたよりもかなり普通の人で、ちょっとがっかりしました。
